1. 直したいのは文章・見た目・構成・機能のどれか
直すか作り直すかは、直したいことの種類と、今使っているツールの機能の組み合わせで決まります。同じ「見た目を変えたい」でも、色や文字の雰囲気を変えたいのか、テンプレートそのものを入れ替えたいのかで、使う機能が違います。
2026年10月15日に、各ツールの公式ヘルプで、今のサイトのまま変えられるかを確かめました。
| 直したいこと | 今のサイトのまま変えられるか |
|---|---|
| 文章・写真の差し替え | 各ツールの編集画面で変えられる |
| 色・文字の雰囲気 | Wix・ジンドゥー・STUDIO・Canva・WordPressは変えられる |
| テンプレートの入れ替え | Wix・ペライチ・STUDIOは変えられない |
| ページの追加 | Canvaは45ページまで。STUDIOはプランで違う |
| 予約・決済などの機能 | ツールとプランによる |
- ペライチは、ビジネスプランとプロフェッショナルプランの「テーマ変更」で、ブロックや見出しのデザインを一括で変えられます。
- テンプレートの入れ替えは、ジンドゥー(クリエイター)のレイアウトの変更、WordPressのテーマの切り替え、Canvaのテンプレートの変更で行えます。
- STUDIOのページ数の上限は、Freeプランが50ページ、独自ドメインで公開できる最も安いMiniプランが2ページ(と404ページ)、Personalプランが150ページです。ほかのツールの上限は確かめていません。
- 予約や決済の機能は、ツールごとの一覧を作っていません。Wixでは、サイトで支払いを受け付ける機能はスモールビジネスプランから使えます(Wixの年間費用を確かめた記事)。
見た目の問題は軽い修正、とは限りません。作成済みのサイトに別のテンプレートを当てられないツールでは、テンプレートごと入れ替えたい場合に、新しいサイトやページを作ることになります。反対に、AIで作ったHTMLのようにファイルを手元に持っているサイトは、ページ構成の変更もファイルの書き換えで行えます。ただし、AIに頼んだときに書き換わる量は、依頼の内容で大きく違いました。
2. 今のツールと管理権限を確かめる
どのツールで作ったかは、外から見える手がかりで確かめられます。自分で作ったサイトでも、知人や前の担当者が作り始めたサイトでは、ツールが分からないことがあります。
| 見る場所 | 分かること |
|---|---|
| アドレスバーのURL | ツールが用意するURLなら、ドメインでツールが分かる |
| ページのソースの「generator」 | 一部のツールは名前が書かれている |
| ページの下部の表示 | Canvaの無料版は「Designed with Canva」と出る |
ツールが用意するURL(ツールのドメインの下に付くURL)の形は、各ツールのヘルプに次のように書かれています。
- Wix: ○○.wixsite.com/サイト名。Wix Studioは ○○.wixstudio.io/サイト名
- ペライチ: ○○.hp.peraichi.com
- ジンドゥー: クリエイターは ○○.jimdofree.com か ○○.jimdoweb.com、AIビルダーは ○○.jimdosite.com
- STUDIO: ○○.studio.site
- Canva: my.canva.site を含むURL
Wix・ジンドゥー・STUDIO・Canvaは、これらのURLで無料のまま公開できます。ペライチは、2025年10月1日からフリープランで公開できるページが0枚になり、○○.hp.peraichi.com での公開にも有料プランが要ります。
独自ドメインで公開している場合は、URLからは分かりません。ブラウザでページを右クリックして「ページのソースを表示」を選び、「generator」という語を検索すると、ツールの名前が書かれていることがあります。各ツールの運営会社が自分で公開しているページを取得して確かめました。
- Wixのテンプレートのページには「Wix.com Website Builder」と書かれていました。Wix Studioのテンプレートも同じ表記で、2つは見分けられませんでした。
- ジンドゥー(クリエイター)の公式のハウツーサイトには「Jimdo Creator」と書かれていました。
- STUDIOの運営会社のサイトには「Studio.Design.HRC」と書かれていました。
- WordPressの日本語の公式サイトには「WordPress」とバージョン番号が書かれていました。WordPressは、この表記を標準で出力します。
- ペライチのヘルプが紹介するサンプルページには、この表記がありませんでした。
- ジンドゥー(AIビルダー)は、公式のPodcastのページを取得できず、確かめられませんでした。Canvaは、運営会社が公開しているページが見つからず、確かめていません。
- AIで作ったHTMLは、この記事の実測で作った25のHTMLファイルのどれにも、この表記がありませんでした。
ツールと同じくらい大事なのが、管理権限です。作り直すときにサイトやドメインを引き継げるかどうかは、次の3つの契約が誰の名義で、どこにあるかで変わります。
- 編集画面のアカウント。自分のアカウントでログインできるか。プランの解約やドメインの移管の手続きは、そのアカウントの中で行います。たとえばWixでは、ドメインを他社へ移管するためのコードが、ドメインの登録者の連絡先メールアドレスに送られます。
- ドメインの契約先。ツールの中で取ったドメインか、ドメインの会社で取ったドメインか。ツールの中で取ったドメインは、ツールごとに外へ持ち出す手順が違います。
- メールの契約先。独自ドメインのメールを、どのサービスで使っているか。
名義と契約先が分かれば、作り直すときに必要な作業も決まります。契約書で名義を確かめる箇所は、解約後もホームページを使えるかを契約書で確かめる記事にまとめています。
3. 今の仕組みのままで修正できる場合
文章や写真の差し替えは、今のツールのままで行えます。ページの追加も、プランの上限の範囲で行えます。デザインを大きく変える場合も、多くのツールには同じツールの中で作り替える手段があり、独自ドメインで公開していれば、ドメインはそのまま使えます。
同じツールの中でデザインを大きく変える方法は、ツールごとに違います。
- Wixは、作成済みのサイトのテンプレートを変更できません。ヘルプは、新しいテンプレートで新しいサイトを作り、今のサイトからパーツをコピーして、プランとドメインを新しいサイトへ移す手順を案内しています。新しいサイトへ移せる機能は、ビジネス用メールとWixブログです。ストア・ブッキング・サイト会員・連絡先など12の機能は移せず、ストアの商品と連絡先はCSVで書き出して読み込む方法が案内されています。同じサイトのままでも、「サイトデザイン」の「テーマを変更」で、色と文字のスタイルは変えられます。
- Wix StudioとWixエディタの間では、サイトを移せません。Wixが2026年1月に出したWix Harmonyエディタへも、既存のWixエディタのサイトは移せないと、ヘルプに書かれています。Wix Harmonyには、公開中のサイトのURLを入れると、AIがページ・文章・画像・リンク・色を読み取って新しいサイトを作る機能があると案内されています。この機能は試していません。
- ペライチも、作成済みのページのテンプレートは変更できません。新しいテンプレートでページを作り、今のページとURLを入れ替える方法が案内されています。
- STUDIOは、既存のプロジェクトに後からテンプレートを当てられません。ヘルプは、今のサイトを直接編集する方法、同じプロジェクトに新しいページを作ってパスを差し替える方法、別のプロジェクトに作ってドメインを付け替える方法などを挙げています。ドメインを付け替える方法では、公開が止まる時間が必ず出て、有料プランは新しいプロジェクトへ引き継げません。
- ジンドゥー(クリエイター)は、レイアウトをいつでも変えられ、テキストや画像はそのまま残ります。AIビルダーは、テーマカラーやフォント、ブロックごとのレイアウトを変えられます。
- Canvaは、編集中のデザインのテンプレートを変えられます。Webサイトのデザインでは、ページを差し替えるとそのページの編集内容が取り消されます。
- WordPressは、管理画面の「外観」でテーマを切り替えられます。切り替える前に、今のコンテンツでの見た目をプレビューで確かめられます。
Wix・ペライチ・STUDIOのように新しいサイトやページを作る方法では、文章と写真を入れ直します。独自ドメインで公開していれば、新しいサイトに同じドメインを付けられるので、名刺やチラシに載せたURLはそのまま使えます。ペライチのURLの入れ替えと、STUDIOの同じプロジェクトの中でのパスの差し替えは、ページのURLも変えずに済む方法です。
AIで作ったHTMLは、ファイルを手元に持っているので、ツールの制約がありません。その代わり、変更を頼んだときにAIがどこまで書き換えるかを、読み直して確かめることになります。この記事のために、架空の事業で実測しました。
- OpenAIのAPIで、chat-latest(OpenAIの説明では、ChatGPTで使われている最新の即答型モデルを指す名前)に、架空の出張クリーニング「くらしクリーン(架空)」のホームページを、文章を渡してHTMLで作るよう頼みました。できたのは、空行を除いて1,230行の1ファイルです。
- 同じ会話の続きとして、見た目を変える依頼、料金ページを足す依頼、5ページに分ける依頼を、別々に3回ずつ出しました。どの依頼にも「ほかは変えないで」とは書いていません。
- 元のコードに1回だけ出てくる544行が、変更後のファイルにそのまま残った割合と、画面の文章83か所が元の文のまま残ったかを数えました。
- 見た目を変える依頼は、3回とも1ファイルのままで、色と一番大きな見出しが依頼どおりに変わりました。変わった行は28〜37行(2.3〜3.0%)です。頼んでいない、見出しの下の1文も、3回とも別の文に書き換わりました。
- 料金ページを足す依頼では、AIは3回とも、料金とご依頼の流れを新しいページに移し、トップページからリンクしました。元の行の98.7〜98.9%が残りました。新しいページにもデザインの指定が374〜413行入り、同じ色の指定が2つのファイルに重複して入りました。あとで色を変えるときは、2つのファイルを直すことになります。
- 5ページに分ける依頼では、3回ともファイルが7個になり、デザインの指定は1つのファイルにまとめ直されました。元の行が残った割合は35.7〜74.6%で、3回の間で幅がありました。画面の文章は83か所のうち31〜34か所が、元の文のままでは残っていませんでした。
料金・作業時間・電話番号など19項目の事実は、9回とも残っていました。リンク切れは無く、ページを分けた回は、全ページに題名と説明文が付いていました。
ページを分ける依頼は、ファイルの書き換えで済みました。ただし今回の3回では、画面の文章の4割ほどが元の文のままでは残らず、言い換えや統合が入りました。分けたあとは、全ページの文章を読み直すことになります。1ページのままにするか分けるかの考え方は、1ページか複数ページかを比べた記事にまとめています。
今のツールのまま直す場合は、修正の作業を自分で行うか、依頼するかを決めることになります。修正を依頼する場合の費用の比べ方は、ホームページの修正費用を年間の総額で比べた記事で扱っています。
4. 作り直す場合に引き継げる文章・写真・URL
別の作り方へ移る場合に、サイトをそのまま持ち出せるのは、ファイルを手元に持っているサイトだけです。作成サービスで作ったサイトは、文章と写真を新しいサイトに入れ直します。
| 作り方 | サイト丸ごとの書き出し | 個別に書き出せるもの |
|---|---|---|
| Wix | できない | 自分で上げた画像・動画、ストアの商品、連絡先 |
| ペライチ | できない | フォーム・予約・決済の顧客情報 |
| ジンドゥー(クリエイター) | 手段の提供なし | 記載なし |
| ジンドゥー(AIビルダー) | 記載なし | 記載なし |
| STUDIO | できない | フォームの回答 |
| Canva | 記載なし | 記載なし |
| WordPress | 投稿・固定ページなどを書き出せる | ― |
| AIで作ったHTML | ファイルを持っている | ― |
- 「できない」は、公式ヘルプにできないと書かれているものです。Wixは外部のサーバーでの公開をサポートしておらず、ペライチは他社のレンタルサーバーで使える形式で提供しておらず、STUDIOはデザイン・ページ情報・ソースコード・CMSのデータを書き出せないと書いています。
- 「手段の提供なし」は、ジンドゥー(クリエイター)のヘルプの書き方です。ユーザー自身でバックアップを行う手段は提供していないとし、ブラウザの拡張機能でページを1つずつ保存する方法を紹介しています。
- 「記載なし」は、ヘルプに書き出しの手段が見つからなかったものです。できないと書かれているわけではありません。
- Wixのブログ記事は、ほかのサービスへ書き出す機能が無いと書かれています。
- WordPressの書き出しは、投稿・固定ページ・コメント・カテゴリーなどをXMLファイルにまとめる機能です。書き出す内容の一覧に、テーマ・プラグイン・画像のファイルは入っていません。サーバーを移す場合は、これらのファイルとデータベースを別にバックアップします。
文章と写真は、自分で用意したものなら新しいサイトで使えます。書き出す手段が無いツールでは、文章は画面からコピーし、写真は手元の元のファイルを使います。Wixでは、自分でアップロードした画像と動画をダウンロードできます。Wixが用意した無料の画像は対象外です。
ページのURLを引き継げるかは、独自ドメインで公開しているかで決まります。
- 独自ドメインで公開している場合は、新しいサイトに同じドメインを向ければ、トップページのURLは変わりません。ページのURLが変わる分は、旧URLから新URLへの転送を設定します。Googleは、サーバー側の恒久的なリダイレクト(301など)を、一般的には1年以上残すよう案内しています。移転中に掲載順位が一時的に変動するのは通常のこととしています。
- ツールが用意するURLで公開している場合は、作り直すとURLが変わります。Wixのヘルプには「無料の Wix URL からプレミアムサイトへの 301 リダイレクトを設定することはできません」と書かれています。ペライチも、サブドメインのURLからは転送されないと書いています。名刺やチラシのQRコード、ほかのサイトからのリンク、お客様のブックマークは、古いURLのまま残ります。
- WixとSTUDIOは、同じサイトに独自ドメインを付けると、ツールが用意するURLから独自ドメインへ自動で転送されます。これは同じサイトの中での動きで、STUDIOは、サブドメインの設定を変えたり外したりするとこの転送が無効になると書いています。ジンドゥーとCanvaのURLから転送できるかは、ヘルプに記載がありませんでした。
ドメインとメールの引き継ぎの手順は、ドメインを取った場所とメールの契約先によって違います。
- Wixで取ったドメインは、他社へ移管できます。Wixに置いたまま、DNSの設定を変えて外部のサイトへ向けることもできます。移管したあとは、ビジネス用メールのMXレコードを設定し直すまで、メールが使えません。
- ペライチで取ったドメインは、ペライチでしか使えません。ほかのサービスで使うには外部へ移管します。ペライチにはメールアドレスを作る機能が無く、メールは外部のサービスで使います。
- ジンドゥーで取ったドメインは、クリエイターでもAIビルダーでも、外部のサイトへ向けられず、DNSも変えられないので、他社へ移管します。クリエイターでは、.jpのドメインは通常の手順では移管できず、サポートへの申請が要ります。また、解約すると独自ドメインのメールアドレスが停止・削除されます。AIビルダーでは、ドメインの移管を始めた時点で、そのドメインのメールが使えなくなります。
- STUDIOはドメインを販売していないので、ドメインは外部で取ったものです。新しいサイトに向け直せば使い続けられます。STUDIOはメールの機能も提供していないので、メールは外部のサービスとの契約です。
ドメインとメールは、どちらもサイトとは別の契約です。サイトを作り直す前に契約先と更新日を書き出しておくと、解約と移管の日程を組みやすくなります。
5. 解約前に移行日程と二重払いを整理する
作り直す場合は、新しいサイトを公開してから今のサービスを止める、という順番になります。順番を逆にすると、ツールによっては公開やメールが止まります。
- ジンドゥー(クリエイター)は、解約すると独自ドメインのメールアドレスが停止・削除されます。
- ジンドゥー(AIビルダー)は、解約するときにドメインを移管しないと、AIビルダーで取ったドメインが廃止されます。
- ペライチは、有料プランを解約してフリープランになると、独自ドメインで公開しているページが非公開になります。退会するとページはすべて削除され、ドメインの契約が残っている間は退会できません。
- Wixは、プランの期限が切れると無料のサイトに戻り、独自ドメインとの接続が外れます。
- STUDIOは、有料プランからFreeプランに切り替わると、サイトが一度非公開になります。
止める期限は、契約の更新日より前にあります。
更新日を過ぎてから止めても、払った料金は戻りにくい仕組みです。
- Wixの14日間の返金は、新しく購入したプランが対象です。更新の料金は返金の対象外で、ドメインとビジネス用メールも返金されません。
- ペライチとジンドゥー(AIビルダー)は、契約の途中で解約しても日割りの返金はありません。
- STUDIOは、自動更新されたあとの有料プランは、キャンセルも返金もできません。
- ジンドゥー(クリエイター)は、初回の申し込みから14日以内ならキャンセルできます。
プランを止めても、ドメインとメールの支払いは別に続きます。Wixは、プランを解約しても、Wixで取ったドメインとビジネス用メールは解約されず、自動更新をそれぞれ止める必要があります。ペライチも、有料プランを解約しても、ペライチで取ったドメインは解約されません。プランだけを止めると、ドメインやメールの更新料金が請求されて、二重払いの原因になります。
新しいサイトを作っている間は、今のサービスと新しいサイトの両方に費用がかかります。この重なりを短くするには、今のサービスの更新日から逆算して、ドメインの移管とメールの移行を期限の前に終える日程を組みます。ジンドゥー(クリエイター)で取ったドメインを使い続ける場合は、遅くとも契約終了日の40日前までに移管を依頼します(解約の案内では45日以上前を勧めています)。新しいサイトは、それまでに公開できる状態にしておく必要があります。
更新日が近く、期限に間に合わない場合は、もう1期間だけ今のサービスを続けるほうが、公開やメールが止まるよりも影響は小さいと考えています。Wixのプランの更新は期限の最大3週間前、ドメインとビジネス用メールの請求は最大30日前に行われるので、更新日の1か月前には、続けるか止めるかを決めておくことになります。
作り直しを自分で行うか依頼するかは、作業に使える時間で決まると考えています。文章と写真の入れ直し、ドメインの移管、メールの移行、旧URLの転送は、どれも自分で行える作業です。これらの時間を取りにくい場合は、作業を依頼することになります。デジステップでは、今のサイトの文章・写真・ドメイン・ページ構成など使えるものを引き継いで作り直す形でお受けしています。旧URLから新URLへの転送の対応表、メールのMX・TXTレコードの再設定、メールボックスの中身の移行まで請け負います。標準プランは、初期費用77,000円(最大10ページ)、月額2,200円です。月額はサーバーとドメインの実費で、独自ドメインのメールは含まれず、Zoho Mailの費用(1アカウントあたり月額約250円)が別にかかります。WixやペライチのURLのように、ツールが用意するURLから転送できないサイトは、依頼して作り直しても旧URLからの転送は設定できません。