1. 「SEO対策込み」の作業範囲を、4つに分けて見積もりで確かめる
見積もりや料金表の「SEO対策込み」は、性質の違う作業をまとめた言葉です。分けると、納品日に何を確かめればよいかが決まります。
- 設定は、ページのtitle、検索に出さない指定(noindex)、存在しないURLへの応答、HTTPSなど、公開されたサイトを外から見て確かめられるものです。
- 設計は、どの検索語で見つけてもらうか、ページをどう分けるか、何を書くかという判断です。成果物は、判断の理由を書いた説明になります。
- 計測は、Search ConsoleとGoogleアナリティクスのアカウントと権限です。誰が所有者になるかで、納品後に検索のデータを見られる人が決まります。
- 成果は、順位・流入・問い合わせです。Googleは「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」と書いています。
「SEO対策込み」をうたう制作プランが、何を書いているかを数えました。2026年10月29日、「ホームページ制作 SEO対策込み」など12語をYahoo! JAPANで検索し、自然検索の2ページ目までに出た108ドメインから、制作会社自身のサービスや料金のページと見られる32件を読みました(2件は取得できませんでした)。そのうち、ホームページ制作のプランの料金と、SEOへの対応をプランに含むことの両方を書いていたのは14件です。2つの手順で別々に読み、食い違った項目は本文を読み直して決めました。表の件数は、さらに別の手順で数え直して一致したものです。
| 書かれていた項目 | 件数(14件中) |
|---|---|
| スマホ対応 | 10件 |
| SSL(https) | 6件 |
| Search Consoleの設定 | 4件 |
| Googleアナリティクスの設定 | 4件 |
| titleやdescriptionの設定 | 3件 |
| 構造化データ | 3件 |
| XMLサイトマップ | 2件 |
- 最も多かったのはスマホ対応とSSLで、titleやdescriptionの設定を挙げていたのは3件でした。SEOに当たる項目の名前を1つも挙げていないプランが1件ありました。
- 順位を保証すると書いたプランは0件、保証しないと書いていたのは2件でした。
- Search ConsoleやGoogleアナリティクスのアカウントを、誰の名義にするか、誰が管理者になるかを書いたプランはありませんでした。
ページに書いていないことは、提供していないという意味ではありません。書いていない項目は、見積もりの段階で質問できます。GoogleがSEO業者に聞くことを勧めている質問のうち、「サイトに加えたすべての変更に関する情報、およびアドバイスの内容に関する詳しい情報とその理由を伝えてくれるかどうか」は、制作の依頼にもそのまま使えます。言い換えると、次の3つになります。
- 「SEO対策」として、どの設定を、どのページに行うか。
- 狙う検索語とページの構成を、どう決めたかを書面で説明してもらえるか。
- Search ConsoleとGoogleアナリティクスは、誰のアカウントで作り、納品後に誰が所有者・管理者になるか。
作成ツールで作る場合は、既定で入る項目があります。2026年10月29日に各社の公式ヘルプで確かめた内容です。作成ツールで作るサイトでは、既定で入る項目を、制作費の中で大きく数える必要は無いと考えています。
| 項目 | Wix | Canva | ペライチ | STUDIO |
|---|---|---|---|---|
| title | 自動(ページ名 | サイト名) | 自動(デザインのタイトル) | 自分で入力 | ページとサイトのタイトルが未設定なら空(新しい公開の仕組み) |
| description | 入力するまで空 | 自分で入力 | 自分で入力 | ページで未入力ならサイトの設定を使う |
| XMLサイトマップ | 自動 | 自動 | 出力する(範囲の記載なし) | 設定をオンにすると自動 |
| Search Consoleの接続 | 有料プランと接続済みのドメインが必要 | 購入したドメインが必要 | 全プランで連携できるとヘルプに記載 | 有料プラン |
Canvaの「マジックSEO」は、全ページのタイトルと説明を一括で作る機能で、手で入力した分も上書きし、元に戻せないとヘルプに書かれています。ペライチのヘルプは連携を無料プランも含めて使えるとしていますが、今の料金ページに恒常的な無料プランは無く、1か月0円のお試しがあるだけです。
2. 公開・クロール・インデックスの設定を、ブラウザで見る
Googleは、インデックスに登録されるための最低限の条件を3つ挙げています。Googlebotがブロックされていないこと、ページがHTTPの200(成功)を返すこと、インデックスできる内容があることです。満たしても、インデックスへの登録は保証されません。
この条件に関わる設定は、納品日に自分のブラウザで確かめられます。アドレス欄にURLを入れるか、ページのソースを表示(PCのChrome・Edge・Firefoxでは、URLの前に「view-source:」を付けると開けます)して見ます。JavaScriptで画面を組み立てるサイトでは、titleやnoindexがソースに出ないことがあるので、開発者ツールの「要素」で描画後の内容を見ます。404などの応答の番号は画面には出ず、開発者ツールの「ネットワーク」で見られます。
| 確かめる項目 | 見る場所 | 合格の見え方 |
|---|---|---|
| HTTPS | http:// で始まるURLを開く | https:// のページへ転送される |
| 検索に出さない指定 | ページのソースで「noindex」を検索する | 公開するページに noindex が無い |
| robots.txt | ドメインの後ろに /robots.txt を付けて開く | 公開したいページを Disallow していない |
| 存在しないURL | ドメインの後ろに、無いはずのパスを付けて開く | 404を返す。404を返すURLへ転送される。または noindex が付いている |
| ページごとのtitle | ブラウザのタブ、ページのソースの <title> | ページごとに違う |
noindexの消し忘れは、公開前のテスト環境の設定が残ると起こります。公開するページに noindex が残っていると、Googleはそのページを検索結果に出しません。robots.txtは、ページを検索結果から外すための仕組みではない、とGoogleは書いています。robots.txtでページへのアクセスを止めると、そのページの noindex も読まれません。
存在しないURLが200を返し、中身がトップページと同じになる作りがあります。Googleは、「ページが存在しない」と伝えるページを200で返すURLを soft 404 と呼び、本文の無いページや空のページも当たることがあるとしています。ブラウザで画面を作るサイトでは、サーバーが404を返すURLへ転送するか、エラーのページに noindex を付ける方法を、Googleは対処として挙げています。
無くても不合格ではない項目もあります。Googleの文書では、次のように書かれています。
- robots.txt: robots.txtが404などを返す場合、Googleはクロールの制限が無いものとみなします。中身がHTMLの場合も、有効なルールの行だけを読み、ほかは無視します。
- XMLサイトマップ: およそ500ページ以下で、トップページから内部リンクをたどって重要なページに行けるサイトでは、必要ない場合があります。ただし、サイトが新しく外部からのリンクが少ない場合は、サイトマップが役に立つ場合としてGoogleが挙げています。
- canonical: 正規のURLを指定する方法は「いずれも必須ではありません」と書かれています。指定しなければ、Googleが代表のURLを選びます。
入っていても、Google検索には効かない項目もあります。
- meta keywords: 「Google 検索はキーワード メタタグを利用しません」とSEOスターターガイドにあります。
- サイトマップの priority と changefreq: Googleはこの2つの値を無視します。
- FAQの構造化データ: FAQのリッチリザルトは、2026年5月7日からGoogle検索に表示されなくなりました。残しておいて害があるものではありませんが、Google検索の表示のための項目としては数えられません。構造化データは、ほかの種類でも、正しく書けば検索結果に表示されるとは限りません。
- llms.txt などのAI向けのファイル: GoogleのAI機能に表示されるために、新しいファイルやマークアップは要らないとGoogleは書いています。一方で、ほかのサービスのために置いておくのは問題ないとも書いています。
自社サイトと、デジステップの制作サンプルで確かめました。2026年10月29日の結果です。制作サンプルは架空の事業者のサイトで、検索に出さないように、どのページにも noindex を付けています。
| 項目 | 自社サイト chapter-tech.com | 制作サンプル3件 |
|---|---|---|
| http:// で開く | https:// へ301で転送 | https:// へ301で転送 |
| noindex | 無し | 全ページに有り(架空の事業者のため) |
| /robots.txt | テキストで返る | HTMLのページが返る |
| /sitemap.xml | 49件のURLが載ったXML | HTMLのページが返る |
| 存在しないURL | 404、noindex付き | 200で、トップページと同じ中身。noindex付き |
制作サンプルの /robots.txt と /sitemap.xml は、ファイルではなくHTMLのページを返していました。Googleの仕様では、HTMLが返った場合も有効なルールの行だけを読みます。このHTMLには有効な行が無かったので、制限の無い状態と同じになります。存在しないURLの行は、制作サンプルが全ページに noindex を付けているため、この表の判定には使えません。検索に出すサイトでは、404を返すか、404を返すURLへ転送するか、エラーのページに noindex を付けるかのどれかになっていれば合格です。
3. タイトル・本文・見出し・リンクを、生のHTMLと描画後で見比べる
ページの中身の確認では、ページのソース(サーバーから届いたままのHTML)と、ブラウザが描画した後の画面とで、見えるものが違うことがあります。JavaScriptで画面を組み立てる作りのサイトでは、ソースの本文はほとんど空で、描画した後に文字が出ます。
2026年10月29日に、本文の文字数(空白を除く)を、JavaScriptを実行しない取得と、ブラウザでの描画後とで数えました。自社サイトはページごとに生成済みのHTMLを配る作りで、トップページはJavaScriptなしで1,477字、描画後に2,204字でした。制作サンプル3件はブラウザで描画する作りで、JavaScriptなしでは0字、描画後は1,180〜2,306字でした。
Googleは、描画した後のHTMLを読みます。JavaScript SEOの基本には、200を返すページは、robots meta タグなどでインデックスの登録が禁止されていなければ、レンダリング(描画)の待ち行列に入ると書かれています。Googleが描画した後の内容を確かめる方法として、リッチリザルトテストかURL検査ツールでレンダリングされたHTMLを見る、と案内されています。
JavaScriptを実行しない読み手には、ソースの文字だけが見えます。同じ文書には、すべてのボットがJavaScriptを実行できるわけではないので、サーバー側での描画やプリレンダリングは今も良い方法だとも書かれています。どの読み手がJavaScriptを実行するかは、読み手ごとに違います。納品日には、Google向けの確認(URL検査)と、ソース表示での確認を、別の行として扱うと混同しません。STUDIOのヘルプには、canonicalはページの読み込み後に付けるため、ページのソースには出ないとあります。ソース表示で見当たらない項目も、描画後には入っていることがあります。
ページの中身で確かめることは次の4つです。
- title: ページごとに違う内容になっているか。Googleは、titleの繰り返しや定型文を避けるよう書いています。検索結果のタイトルは、titleのほか、見出しやリンクの文字などから自動で作られることもあります。
- description: 検索結果の説明文(スニペット)は主にページの本文から作られ、descriptionは本文より正確にページを説明できる場合に使われます。全ページで同じ文が入っていないかを見ます。
- 見出し: ページの主題が見出しの文字として書かれているか。
- リンク: メニューやボタンが、href 属性を持つ
<a>要素になっているか。Googleは、通常この形のリンクだけをクロールできるとしています。
ページの数や構成が設計の段階で決まる点は、1ページにまとめるか分けるかを比べた記事で取り上げています。
4. Search Consoleの確認方法と権限を、納品の前に決める
Search Consoleは、Googleでの検索の表示回数・クリック・インデックスの状況を見る道具です。誰が所有者になるかは、契約の前に決めておける項目です。権限の種類と画面での確かめ方は、10万円以内のホームページ制作で何が届くかを比べた記事にまとめています。
所有権は、サイトやDNSに置いた「確認トークン」で確かめます。Search Consoleのヘルプに載っている確認の方法は6つで、サイトに置くHTMLファイル、HTMLタグ、Googleアナリティクスのトラッキングコード、Googleタグマネージャーのコード、Googleサイト・Bloggerのアカウント、ドメインのDNSのレコード(TXTかCNAME)です。ドメイン全体をまとめて見る「ドメインプロパティ」は、DNSのレコードでしか確認できません。確認は、トークンが存在し有効だと確かめられる限り続きます。
所有者を削除しても、トークンは残ります。ヘルプには、トークンを削除しなければ、削除された所有者は所有権を再確認できると書かれています。Googleアナリティクスのタグやタグマネージャーのコードも確認の方法になるので、そのアカウントに権限を持つ人は、タグがサイトに残る限り所有権を確かめられます。残っているトークンは、「ユーザーと権限」の「未使用の所有権トークン」で確かめられます。
権限は、頼む作業に合わせて絞れます。GoogleはSEO業者の選び方の中で、監査を頼む段階では「Search Console への読み取り権限のみを付与してください」と書いています。
納品日に確かめることは、次の3つです。
- Search Consoleの所有者が誰か。自分が所有者でない場合、データをどう受け取るか。
- Googleアナリティクスで、自分がアカウント単位の管理者か。役割を割り当てるには、管理者の権限が要ります。
- 制作会社のアカウントのタグ(アナリティクス・タグマネージャー)が、サイトに残るか。
アカウントと権限を契約書でどう書くかは、解約後もホームページを使えるかを契約書で確かめる記事で扱っています。
5. 納品後に確認する日と、修正を依頼できる範囲
設定は納品日に確かめられますが、検索に出るかどうかは、日を空けないと分かりません。Googleの文書は、クロールには数日から数週間かかることがある、と書いています。
- 納品日: 2章と3章の表で、設定と中身を確かめます。4章の権限も、この日に画面で確かめます。納品日より前の、テスト環境での確認と公開の判断までの工程は、ホームページ作成を依頼する流れの記事にまとめています。
- 1週間ほどあと: Search ConsoleのURL検査で、主なページが登録されているかを見ます。site:検索は、出なくても未登録とは限りません。出てこないときの切り分けは、会社名で検索しても出てこないときに確かめる4つの段階の記事にまとめています。
- 数週間あとから: 検索パフォーマンスのレポートで、どの検索語で表示され、クリックされたかを見ます。表示の回数が少ないうちは、クリック率の高い低いで判断しないほうが確かだと考えています。
直してもらう話ができるのは、設定の行です。noindexの消し忘れ、全ページで同じtitle、存在しないURLの扱いなど、契約で合意した設定と違うものは、納品物の修正として相談できます。どこまでが無償の修正に当たるかは、契約の内容によります。順位や流入は、設定を直しても約束できるものではありません。公開後の改善を続けて頼む場合は、何をいくらで行うかを別に決めることになります。
デジステップの条件を、この記事の表の項目で書きます。
- サービスページの料金に含まれる内容には、「独自ドメイン・SSL・SEO設定」を挙げ、説明は「ドメイン取得からHTTPS化・OGP設定まで」です。この記事の表のほかの行(ページごとのtitle、noindex、存在しないURL、robots.txt、サイトマップ)は、サービスページに項目として書いていません。
- 納品するサイトは、制作サンプルと同じく、ブラウザのJavaScriptで画面を描画する作りが標準です。Googleは描画後の内容を読みます。JavaScriptを実行しない読み手には、ソースにある文字だけが見えます。
- Search Consoleの所有者はデジステップのままにし、データを出力してお客様と共有する方針です。URL検査や検索パフォーマンスは、お客様が画面で直接見る形ではなく、共有したデータで確かめる形になります。Googleアナリティクスなどのアカウントは、初期設定のあと、管理者権限をお客様へ移します。
- 標準プランは、初期費用77,000円(最大10ページ)、月額2,200円です。
この記事の表は、作成ツールで自分で作ったサイトにもそのまま当てはまります。自分で直せる設定は、管理画面で直せば足ります。作り直しを外に頼む場合は、デジステップで、今のサイトの文章・写真・ドメインを活かして作り直す形でお受けしています。