営業力と開発力はあるのに、特定の体制や一時的な知見不足のために案件を見送っていませんか?本コラムでは、SES事業者が直面する「機会損失」の本質的な要因を解き明かし、FDE(前方展開エンジニア)をスポットで接続することでリスクなく案件を受注し、かつ社内にノウハウを蓄積して「自走化」へと導くアライアンスモデル(Delivery Scope+)について解説します。
多くのSES(システム・エンジニアリング・サービス)企業において、深刻な「機会損失」が日常的に発生しています。
自社の営業努力によって直受けの引き合いや提案のチャンスを獲得し、かつ自社エンジニアの実装力(開発力)には十分な自信があるにもかかわらず、「顧客との要件定義をリードできるPMがいない」「特定の業界ドメイン(金融、物流、ECなど)の業務知識が不足している」という局所的な体制不足を理由に、案件を辞退してしまうのです。
これは、非常に不条理な構造です。
なぜなら、案件全体の80%以上をカバーできる「開発・実装リソース」は社内にあるのに、初期の20%に満たない「上流・調整体制」の欠如によって、100%の受注機会を失っているからです。結果として、元の安全ではあるが低単価な二次請け・三次請けのSES派遣に戻らざるを得ず、単価アップや事業領域の拡張を諦める結果となっています。
この機会損失を防ぐために、一般的には「上流のPMを正社員で雇用する」か「外部のフリーランスPMを常駐で調達する」という手段が取られます。しかし、これらは極めて高い固定費リスクを伴います。案件が本当に受注できるか分からない(プレセールス)段階で高額なPMを抱えることは、中小のSES企業にとって致命的な財務負担になりかねません。
ここで求められるのが、口先だけのアドバイスに留まる「コンサル」でも、月140〜180時間の下流工数を提供する「SES」でもない、第三の選択肢――FDE(前方展開エンジニア)の「不足能力のスポット接続」です。
FDEは、クライアントのビジネス背景と要件を深く理解し、泥臭く現場で手を動かして課題を解決するエンジニアリングパートナーです。
Chapter Techが展開する「Delivery Scope+」は、このFDEの機能を、必要なタイミング(要件定義への同席、提案書の共同レビュー、WBSや設計書のレビューなど)に限定してスポットで接続し、共同で案件を遂行するアプローチです。フルタイムで雇用・アサインする必要がないため、不要な固定費化を完全に防ぎながら、案件を受けられる状態を作ることができます。
Delivery Scope+が提供する最大の価値は、単に目の前のボトルネックを補完して案件を受注させることではありません。FDEがクライアントおよびSES企業側のエンジニアと同じスレッド(現場)に入り、一緒に実務を推進する「共同遂行モデル」の中にあります。
単なる「作業の丸投げ(外注)」や「アドバイスのみの顧問」では、プロジェクトが終わった後に社内に何も残りません。
しかし、Delivery Scope+では、以下のような具体的なプロセスを通じてノウハウの並走移転を行います。
私たちのゴールは、FDEの哲学でもある「Exit(いなくなっても回る状態)」の確立です。
共同遂行を通じた若手エンジニアのスキル拡張(進行管理・設計・ドメイン知識)により、次回以降の同様の案件では、外部の力を借りずに自社メンバーだけで受注から納品まで対応できるようになる。つまり、Delivery Scope+の利用料は、単なる一過性の外注費ではなく、社内組織のバリューアップに繋がる「確実な人材投資(資産化)」となるのです。
生成AIの爆発的な進化により、従来の「指示通りのコードを書くだけの工数」はコモディティ化し、単価競争が激化しています。AIを操ることで、個人の実装生産性が何倍にも拡張されるようになった今、SES企業が次に目指すべきは、エンジニアに「What/Whyを定義する力」を身につけさせ、上流からプライムで案件を牽引できる組織へと進化することです。
とはいえ、実戦経験のないメンバーだけでいきなりプライム案件に挑戦することは、プロジェクト炎上のリスクが高すぎます。
だからこそ、Delivery Scope+のような「不足する一部の能力(FDEの知見や管理体制)だけを一時的に外部から安全に接続する」というプラグイン型のアライアンスモデルが必要になります。
リスクを最小限に抑えながら、ワンランク上の高難度案件に挑戦し、その実戦の中でエンジニアを「FDEへと加工」していく。これこそが、AI時代を勝ち抜くためのスマートなSES成長戦略です。
「体制さえあれば直受けできるのに…」と諦める前に、不足能力をスポット接続する挑戦を始めてみませんか。Chapter Techは、あなたのチームが自走できるその日まで、FDEの知見をもって実戦を共に戦います。